2021年1月 第一例会報告

2021年01月05日

第一例会報告

メインテーマ『雪山装備の一例紹介』

 

1月5日、今年度3回目の学習会が行われました。出席者は会場8名、zoom7名の計15名で、メインテーマは「雪山装備の一例紹介」です。

 

1.1月の山行

①1/9~11 <クライミング冬合宿>伊豆 ※学習会後に中止の決定

②1/17   <1月ハイク>子の権現 ※中止

 

2.今月のテーマ「雪山装備の一例紹介」 講師:I瀬さん

今年も雪山シーズンがやってまいりましたが、雪山では無雪期とは違った雪山独特の装備も必要となります。東北の雪山に詳しいI瀬さんが、雪山において実際に使用している道具や使い方等について説明していただきました。

 

<雪山装備の準備について>

・経験者と同行することで、必要な装備が分かる。

・登る山や時期、メンバーによっても装備は異なってくる。

→登る山は日本海側か太平洋側か、また緯度によって積雪量や雪質等が異なる。

→登る時期が初冬季、厳冬期、残雪期かによって条件は変わる。

→メンバーは経験者か未経験者か、人数は何人か、ワカンorスキー主体か等

・夏山に比べ装備が増えて重くなるので、シェアできるものは共同装備とする。

・夏道とはルートが異なることがあるが、逆に夏には行けない山に行くことができる。

 

<I瀬さんが登ってきた東北の山の一例紹介>

・岩木山、八甲田山、裏岩手・姥倉山、岩手山、秋田駒ケ岳、乳頭山、月山、蔵王、船形山周辺・栗駒山、朝日連峰、飯豊連峰、安達太良山、鳥海山等

(東北の山の特徴)

アクセスが良くない、入山者が少ない、雪が多い、寒い(緯度が高い)、ラッセル(膝くらいが普通、多いと胸くらいまで)、岩稜は少ない、ロープワークが必要な個所は多くない。

<I瀬さんの装備紹介>

実際にI瀬さんが冬山に登るときの装備やパッキングの紹介。

(身に付けているもの)

・上下のハードシェルはあえて色違いにしている。埋没時に捜索者がどちらが頭(足)か分かりやすいようにするため。

・ハードシェルの下は基本夏用の服

・手袋は基本的にインナー(ミズノブレスサーモ)とアウター(ブラックダイヤモンド)のみ。アウターは5本指は寒いので3本指のミトンタイプ。インナーは山では絶対に外さない。

・靴下は二重履き

・登山靴によって断熱材の有無がある。また、GORETEXでも靴底にはGORETEXが使われていないタイプもあり、その場合、靴底部分より濡れる可能性がある。夏靴でも登れる場合もあるが各自の判断で。

・アイゼンは、靴との相性があるので購入時は履いている靴を持参することが望ましい。

・ビーコンは常に身に着ける(ソロの場合は着けないこともあり)

・アウターポケットにライター(発火石タイプ。電子式は標高の高いところだと点かない恐れあるため)、ナイフ、ヘッドランプ、地図、おかし等

・サコッシュにハンディーGPS(手袋だとスマホは使いづらいので専用機)、メモ、カメラ、鎮痛剤、リップ等。

(ザックの中身)

・70ℓザックを使用。ザックの中にはビニール袋(漬物用45ℓ)を入れる。

→救助作業等でザックを使用する場合、楽に荷物を空にできる。

・テントは夏用。2人用。

・シュラフは3シーズン用(モンベルの#3)。寒いが頑張っている。

・マットは半身。足元はザック。

・6mm×10mロープは前に所属していた会では個人装備だった。

・ツエルトはテントを持っていても必ず持参。

→トイレの目隠しや担架の作成等、テントとは使用用途が違う。

・簡易ハーネス。スリングでも作れるがハーネスの方が楽。

・赤芯ろうそく。3時間くらい持つ。

・新聞紙。何にでも使える。寒いときに体にまいたり。

・スコップのブレード部分はザックの中。外付けでもよいが失くしたことがあるため。

・目印用の赤布。基本回収。

・無線機。アマチュア無線4級資格あり。

<岩木山嶽ルートの紹介>

平成31年1月時の山行紹介。一泊二日。メンバー15人(うち日帰り5人)。

・岩木山は複数ルートあるが、嶽ルートは初級。

・出発時の積雪は2~3m。ワカンとストック。

・テントは2張り(4~5人用と8人用)。ほかに雪洞(風なく暖かい)。I瀬さんは耐寒訓練として個人の夏用テント。

・8合目より上はアイゼンとピッケル。

 

<装備品の実例紹介ほか>

・スコップのブレードの先に細引きをカラビナでつけることで、肩に掛けられるようにしている。

・ビーコン付きプローブを最近導入した。単3電池一本で駆動。難点はちょっと重い。

Q 通常のプローブと比べて見つけるのは早いか(A部みさん)

A 実際にはまだ使用していないが、テストでは1mまで近づくと音が鳴り始め、近づくにつれ音が変わってくる。

・ゴーグルの曇り対策として普段はメガネだが、山ではコンタクトにしている。

→モーター付きゴーグルを使用している(Y城さん)

・岩手にはよい避難小屋が多い。

報告者 C葉

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