2021年5月30日
今年は暑くなるのが早いので植物の生育も早く感じる。つまんないな。薮山の時期が短くなってしまう。新緑は綺麗だが、まだ5月末なのに新芽が大きい。ルーファイに影響があるかも。
南牧村の碧岩の南にあるククリ岩と二子岩。気になっていた存在だ。『岩』とはいえ鋭峰。
アプローチは途中まで碧岩と同じ。一昨年の台風19号の被害を受け居合沢は荒れていると聞いていたものの、コンクリートの階段が出来、新しい木の橋が掛かっていた。歩き易い。しかし、季節柄か以前来た時より水量が多い。一ヶ所へツリの怖い所もあったが三段の滝に到着。
(ヘツリ。見た目より滑って怖かった)
ツルツルヌルヌルの左岸を登り滝上部へ。碧岩への分岐で一本。ククリ岩を目指して更に沢を詰める。水面を飛び越したり浮いている石に足を掛けたり大岩に乗ったりと何度渡渉を繰り返した事か。更にザレた崩壊地をトラバース。しかしH竜さんのルーファイは確かだ。危ない所を避けて沢を詰めて行く。
標高1,000mを超えた所で枯れてきた沢と別れ、右岸の尾根に取り付く。今度はかなりの急登。尾根筋を拾って行くが四つん這いで登る。大ナゲシ北稜を思い出す。同じような地質かな?
立木はボキボキ折れ、岩を触れば角が崩れ、出ている根を掴むとスルッと抜ける。標高差200mくらいを登るとやっと傾斜が緩くなってきた。フー。太陽が出た。新緑に濾された緑の陽光が下生えに当たり葉先の朝露が緑に光る。あたり一面が緑に輝く。あんなに過酷な急登の果てにこんな天国があるんだぁ。神様ありがとう。しばし癒される。ふと前を見ると、その緑の中を緑のシャツに緑のザックのH竜さんが行く。あらら、後姿で良かったぁ。
(実際はもっと緑だった)
その後も尾根を詰めてピーク手前まで行く。また急登! ズルズルと落ちそうになりながら約60m登る。やっと山頂到着。山名標示は? 探すと枝に3cm ×5cm位の手作りの小さな板がくくりつけてあり『ククリ岩』と書いてあった。
さあ、次は二子岩だ! スマホと地図を見ながら二子岩への尾根を探す。途中やせ尾根があり、左右に逃げられない。H竜さんが安全のためフィックスロープを張ってくれた。おかげで東峰にはすぐに到着。やはり手作りの小さな山名板があった。
(指さす先に山名板)
眼前に西峰がそそり立っている。わー、どこを登るんだろう。待っててね、今行くからね。コルに下りて登り返す。こっちは岩峰だ。
天才ルーファー(えっ⁈)のH竜さんが切り込む。チムニー状の垂壁。体が通るか? というようなクラック(?)もある。薮と岩を抜け、体を持ち上げ足場を確保する。残置シュリンゲがあった。「あ、これネットに出てたね。コース合ってるね」見晴らしが良くなり岩峰終了。程なく山頂に着いた。狭いが展望抜群。ここにも同じ手作りの山名板がくくりつけてあった。眼前に碧岩・大岩がそそり立つ。へー私の方が高いよ。
さあまだまだ。ここから下りないと。先程登ってきたルートはリスキーかも。懸垂する事になった。適所にまたしっかりしたシュリンゲがあり、支点をとる。ほぼ垂直だが、岩場にツツジなど低木のプッシュが多い。H竜さんが繰り出し懸垂でロープを持って行った。「いいよー」「はーい。行きまーす」最初から足場が狭い。下りながらも細い枝々に阻まれる。ツツジがなくなると、あらら空中懸垂。着地してもまた岩場が続く。結局20m位下りただろうか。
次は下山道の尾根を見つけなければ。登りでは確認できなかった。
(MSさん懸垂中)
またまたスマホと地図の登場。えっ? ここなの? でもここ崖にしか見えないよ。確かに踏み跡はあるけど…。目の前にあるのはザレ場に落ち葉が乗っている急斜面だった。緩急を繰り返しながらザレ場と落ち葉にデコレーションされた斜面を下る。あまりの急斜面のため安全を考え沢に下りた。今度は膝までの落葉のラッセル。この時期なのにこんなにも深い。フカフカというよりズブズブ。底無しのドロ沼を歩いている気分だった。
やっと碧岩の出合に来た。案内板がある。案内板を見るとホッとする。あとは朝来た一般道を行くだけだ。フー。
この2ヶ月で、桧沢岳北西稜・大ナゲシ北稜・天理岳長尾尾根そしてククリ岩と続けて薮岩に行った。やはり薮岩は面白い。でも、もう今季は終わりだろうなぁ。また秋を楽しみにしよう。
コースタイム
P 9:00-ククリ岩(11:30~11:50)
二子岩東峰12:50-西峰13:00~13:40
三段の滝15:40-P 16:10
メンバー:リーダーH竜・MS・TN
記:TN