2021年11月6日
2年前に初めて登った。その時の空中懸垂が上手くいかずリーダーのH竜さんに迷惑をかけた。その後も事あるごとに、この傷に塩と泥を擦りこまれ続けてきた。今回、T羽さんの誘いに「行くだろう」と半強制的に引き込んだのは傷を癒してやろうという親心だったのだろうか。
中之嶽神社に駐車。ご来光に中之岳からの主稜線が赤く染まっていた。撮影している人達が多い。見上げるその先にこれから行く星穴岳も。
中之嶽神社に安全祈願をして出発。「上級者のみ」だの「死亡事故多発」だの注意喚起の貼り紙多数。急登とトラバース後中之岳基部のルンゼ着。登り切って尾根を行く。滑ったら『はいお終い』という岩場が多くなる。ああ2年ぶりだ。主稜線の「背びれ岩」のような痩せた岩稜にも見覚えがある。今回は風景を見る余裕はあるが、様子が判っているだけに怖い。
程なく「泥懸垂」到着。30m強。今回リーダーのT羽さんがトップで下りる。その後も急なアップダウンの連続だ。途中の小ピークからの眺望にいやされる。
怖~いトラバース。幅10㎝? ここも落ちたら『はいお終い』だ。その先をよじ登ったら、あれ、ここ空中懸垂の支点の所だ! もう着いちゃったの? 懸垂前に星穴岳山頂へ行く。15m位のカンテを登って狭い山頂へ。超絶眺望!
懸垂で下り、さあ、いよいよメインイベント空中懸垂だ。今日3回目の懸垂。すんなりいくかなぁ。山では神になるH竜さんから指示が飛ぶ。T羽さん行っちゃった。次私。セットして…「ハイッ。行ってきま~す」「気をつけろよ」
右手を引きながら降下開始。まだ足が斜面に着いている。だんだん斜面が立ってくる。もう足場がないよー。足裏で蹴る。浮いた。スルスルと下りていく。前回より上出来。真っ青な空と白い岩壁。眼下に紅葉。ワー楽しい。T羽さんが下に見える。20m位。着地、できない。傾斜地のザレ場で滑る。T羽さんがロープを引っ張ってくれた。懸垂より怖いよ。
星穴の前から直ぐに次の懸垂だ。4回目、最後の懸垂は45m強。一番長い。さすがにロープの重みを感じる。滑りが悪い。途中でロープが灌木に引っかかって大変だったとT羽さん。トップはそれが大変だね。ありがとう。
懸垂全て終了。ロープをデポして越穴へ。星穴より大きい穴から相馬岳を覗く。
あとは下山のみ。緊張が解ける。「紅葉綺麗だね」「子供はそんなものに感動しないけど、死期が近くなると感動するようになるんだってさ」「それって情緒を解さないだけじゃないの?」周りが杉林になった頃中之嶽神社が見えてきた。無事下山できて良かったね。妙義の神様ありがとうございました。
空中懸垂のトラウマ、癒えた気がする。
(T羽さんトップだったので、懸垂の写真がない。ごめんなさい。)
メンバー L.T羽・H竜・TN
コースタイム(休憩含む)
中之嶽神社6:40-中之岳分岐7:15-星穴岳11:50-星穴12:20-中之嶽神社13:10