2024年2月 第一例会(学習会)報告

2024年2月 第一例会(学習会)報告
2024.02.06 19:30~21:00
シーノ・ZOOM 併用開催 参加者 シーノ9 名ZOOM 9 名
テーマ 『登山の為の水分補給と食事について』

講師 I瀬
山行中、水分とエネルギーの補給は個々人の大きな課題です。山により、季節により変わることは身をもって感じます。
今回は、摂取のタイミングや摂取の適切な量をお話しいただきました。
以下、簡単に講義の内容をまとめてみました。
※なお学習会の内容および図表は、主に『登山の運動生理学とトレーニング学』山本正嘉著、東京新聞社を使わせていただき、作成しました。
1.登山と運動強度について
◦登山は健康に良い。一ヶ月に累積標高差2000mあればいいのではないか。
◦登山に必要な物はエネルギーと水である。エネルギーは炭水化物と脂肪がメインとなる。
◦運動の強度は安静時を基にした運動のきつさ(強度)「メッツ」で表される。
一般登山はジョギングやランニングと同じく7メッツとなる。7メッツ以上になると心肺機能に負荷がかかるようになる。(右表)
ヒトに必要なエネルギーについて
◦基礎代謝量+登山分のカロリーが必要になってくる。不足すると疲労が襲ってくる。
◦山行中は、基礎代謝にプラスして、登山のためのエネルギーが必要になる。
→食事と水分摂取が必要

2.山行中の水分補給について脱水のリスク
◦水分摂取が足りないと体温が上昇し、疲労が大きくなる。
◦口渇感だけでは必要量に満たないので、多めに意識して摂取する事が必要になる。
◦計画的に。
◦冬でも脱水は起こり、熱中症や筋肉のけいれんや心臓への負担が増すなど体への負担が大きくなる。
登山中の脱水の目安
体重(㎏)×行動時間(h)×5(脱水係数;気温や体質により変える)
水分補給の目安
◦一般的な登山者の脱水許容範囲は体重の1%までと考えられる。
◦この二つを考え合わせた上で、必要量を算出すると
60㎏の人が6時間登山をした時:60×6×5=1800㎖(脱水の目安)
☞1800-60㎏×10=1200㎖
水分のとりかた
◦最低1時間に1回。
◦小分けにして飲む。
◦食事の水分量も含む。
◦種類は好きなものを飲めば良い。
何も飲めない時の心構え
保温対策をし、無駄に動かなければ10日間くらいは生き延びられる?
お酒と水の関係
脳神経系の働き低下や体温調節機能の乱れ、脱水などの症状が出る。

3.山行中の食事について
食べずにいると?
◦食べなくても11~22時間は運動できる。
◦低血糖・脳の働き低下。
体の燃料は炭水化物と脂質
◦炭水化物の補給が鍵となる
◦運動開始約1.5時間後には炭水化物を使っている。
◦脳は糖質しか使えない。
◦脂質は炭水化物がないと燃焼しない。
山行中のエネルギー補給
◦一気に食べるのではなく、こまめに摂取する。
何をどのように食べるか
◦山行中、筋肉も壊れていくので、タンパク質 も必要となる。

4.アミノ酸サプリってどうなの?
◦サプリメントは補助。アミノ酸でエネルギーは補えない。
◦十分なエネルギーを補給していなければ効果はない。
◦筋肉が壊れた場合の補給に良い。

5.質問・その他雑談
◦汗のかきやすさは33歳くらいまでに決まるといわれている。
◦普通の食事からは約1000㎖の水分を摂取できる。
◦ジョギングをするようになったら汗をかくようになった。
◦山行計画を立てる時、予定ルートの中に水場を考えて計画を立てると良い。
◦心拍数が多いとハーハーする。酸素不足?脈拍を抑えるように歩くと良い。
◦山行中は、60歳台で脈拍110~120を保てると良さそう。一度測っておくのも良い。
◦歩き出し11時間くらいハーハーして辛い気がする。これって炭水化物を消費している事?
◦白米と梅干しが良さそう。
◦登山はハードなスポーツなので、好きなものを食べれば良い。
◦アミノ酸サプリはいつも常備している。
◦アミノ酸サプリの効能書を見ると微量なので、こんなのが効くのかと思うので使っていない。
※後記
食事と水は、登山に必要不可欠な物で身近な問題だからでしょうか。質問の時間が取れない程活発な雑談や経験談が飛び交っていました。みなさんなりのやり方を持っているようです。
今日の知識を頭の中置いて、水分と炭水化物の摂り方を再確認し、元気に登山が出来るといいですね。
※※上記は講義内容を要約したものです。I瀬さん作成の資料はHPのさくらポケットに貼り付けられていますので、参考になさってください。
文責 教育部 T中・監修 I瀬

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