暑寒別岳~天塩岳 雨竜沼湿原・藻岩山 きれい、快適、北海道の山小屋

山行実施日;2009年7月3日~6日
参加メンバー;Mi・M、Hi・M、Ka・T、To・T

これほど綺麗な山小屋が他にあったら教えて欲しい。この小屋は室内及び周辺での火の使用は禁止だ。なぜならステンレスの鍋は揃っているし、台所はIHなのだ。水は浄化されているのでエキノコックスの心配はない。便所は水洗だし、シャワー室もある。もちろん湯が出る。乾燥室もある。交流スペースも広い。使用料1.000円、環境美化協力金500円。雨竜町営「南暑寒荘」である。快適な小屋での夕餉は毛ガニをメインに具だくさんの汁物その他諸々だ。ここにHi・Tさんがいたら夜中まで飲み会というところだろうが、Mi・M、Hi・M、Ka・Tというノンアルコール派ばかりなのでアルコール派のKa・Tのみ一人寂しくビールを飲む。小屋には我々の他に二組の夫婦、五人のパーティ、単独のおじさんのみ、静かなものである。 テーブルを挟んで向かいの単独のおじさんも一人寂しく酒を飲んでいる。山の話をさりげなくしていると、このおじさん労山会員だったことが判明。しかも十代の頃は南アルプス仙塩尾根真下の両俣小屋で仕事をしていたという。今は還暦記念の日本一周(50ccバイクで)旅行の途中だともいう。二人だけで大いに盛り上がった。

3時起床、4時出発。沢筋の道を行くと白竜の滝と名付けられた見事な滝に出会う。暑寒別岳のもとになったショアカンペッ(滝のある川)の名はここから来ているのだろう。(ところで山の名前=「暑さ寒さは別の岳」などとだれがどういう意味でつけたのだろうか。)小屋から2時間ほどで雨竜沼湿原に出る。思わず歓声を上げてしまう素晴らしい眺めだ。「北海道の尾瀬」と言われるだけのことはある。イヤそれ以上だ。ワタスゲ、ハクサンチドリ、エゾカンゾウ、ヒメシャクナゲなどなど、とても覚えきれない、書ききれない植物の種類、数だ。この湿原のバックは南暑寒岳と暑寒別岳。絵になる。
湿原から2時間かかって午前9時、南暑寒岳頂上(1,296m)。急速に雲が湧いてきて目の前の暑寒別岳は見え隠れ。往復2時間半、標高差300mは不安だったのでパス。ここから引き返すことにする。

ここの山小屋の管理人は全くのボランティアである。札幌の人らしいが、夏の時期はほとんどこの小屋に“定住”しているらしい。登山者をあれこれ面倒見ている。朝日町営「天塩岳ヒュッテ」である。南暑寒荘同様立派な野営施設もあり、快適な小屋である。湯元協和温泉で落ち合ったSI氏、IT氏、IS氏の諸氏とともに今晩はここで宴会。三人はアルコール派なので昨日よりは盛り上がりそうだが、土曜日の晩ということもありかなりの混雑。控えざるを得ない。それぞれ缶ビール2本程度で就寝。明日に備える。

5時50分、最後に出発。曇天の中1時間ほど沢筋を歩いているとボランティア管理人が「雨が降ってきたので下りてきた。」という。雨の中歩くのはゴメンだなと思いながらしばらく行くと急登が始まる。きつい登りを2時間ほどでやっと前天塩岳(1,540m)。頂上は雲の中で目指す天塩岳も見えない。雨には降られなかったが冷たい風で身体が急速に冷える。急いでガラガラの斜面を一旦下り、ガラガラを一登りして天塩岳頂上(1,558m)。大雪や十勝の連峰が見えるというが、真っ白で何も見えない。ガラガラの斜面を下りていくと登ってくる何組かのパーティとすれ違う。途中これまた立派な避難小屋で昼食。立派な便所も近くに有り、内部は20人くらい泊まれそうな綺麗な2階建ての三角小屋だ。北海道は食事付きの営業小屋はほとんど無いが、どこへ行っても公営の小屋が立派に建っている。どの町も金をかけてきちんと管理している。本州の自治体も、合併して町そのものを消し去ろう、などと無責任なことばかり考えず、こういう姿を見習って欲しいものだ。 帰りは、カルシウム・マグネシウム・炭酸水素塩泉(PH5.4、泉温9℃)の「湯元協和温泉」で汗を流し、この炭酸泉で喉を潤す。SIグループは2週間後大雪山系を歩いた後、山好き温泉好きが一同に会し、キノコ料理をつつきながら大宴会を催し泊まるそうである。羨ましい。オレも仲間に入れろ!。ここの小屋(いや邸宅)の主人はSIさんである。ここの主人はだれでも分け隔て無く、だれでも受け入れる。だから大宮労山会員は北海道に来るとこの小屋に当たり前のように利用する。
この小屋に泊まった会員はいったい何人くらいになっただろうか。中には夫婦で何泊もする図々しいのまでいる。こういうのは、その内“myフトン”まで置くのではないだろうか。
この山行の最終日もSI小屋で締めくくる事になった。温泉を出てから4時間後、SI小屋近くの「まるひろ」でジンギスカンをつつきながら打ち上げの乾杯。山ヤ達、久しぶりの肉にむしゃぶりつく。ここの肉は確かに旨い。食べても、たべても、止められない,止まらない。たらふく食って飲んで小屋に戻り、また飲んで能書き言って寝たのは夜中。最終日、飛行機の時間までの間、藻岩山登山で締めくくることにする。歩き始めて10分か15分、気が付いてみると何時の間にか植物学者と友達になっていた。北大で樹木の研究をしていたという75~76歳だろう。日常生活は天気と相談しながら、あっちの山こっちの山と歩いているそうだ。この学者とともに歩き、歩きながら足下に咲いている花の名前やらシダ類の名前やら、その特徴などの講義を受けながら登った。1時間半で登る道を2時間かけて登った(頂上は531m)。凄い、1単位時間以上勉強した。聴講生だったら授業料を払わなければならないところだ。それにしても藻岩山は動植物の種類が多く自然が深い。やっぱり藻岩山は「札幌の高尾山」だ!(To・T記)