雨乞岳  紅葉と富士山の展 世 望

2015年10月15日

K原塚さんから雨乞岳への お誘いがありました。この山 は甲斐駒ケ岳の真北にある標 高二〇三七㍍の山です。新ハ イキング社の「静かなる尾根 歩き」というガイドブックに 紹介があり、マークを付けて いた山です。しかしアプロー チの便が悪く車を使わないと 行けません。また標高差約九 〇〇㍍はなんとかクリアでき るとして歩行距離が長く、ガ イドブックの評価は「上級向 き」となっていて、私自身が 旗振りをしていける山ではな さそうだと塩漬けになってい た山です。そんな山だったの で、「渡りに船」とばかりに、 K原塚さんのお誘いに乗せ てもらいました。 一〇月一八日(日)、天気予 報は快晴。朝六時に北上尾に 集合、圏央道を経由して中央 道小渕沢ICで降り、国道二 〇号を東南に約三㎞進んだと ころに信号がありその手前右 側に細い道があり「ヴィレッ ジ白州入口」という縦書きの 標識のところを入っていく。 車一台がやっと通れるような 道で不安がよぎるが、結構対 向車もあります。トンネルを くぐってなお進むととやがて 平久保池が現れます。ここが キャンプ場です。その先、左 に登山口があります。 今でも雨乞いの信仰が続い ているのでしょうか、登山道 はよく整備されています。た だ角材でステップが切ってあ るので歩幅が合わなくて歩き づらい。周りはカラマツ林で まだ紅葉に間があります。水 平距離にしておよそ三㎞のと ころを約九〇〇メートル登る のですから勾配は比較的緩や かです。地形も特段の特徴的 なところもなく、後から風景 を描写しようとすると戸惑っ てしまいます。それでも標高 一六〇〇㍍を超すあたりでし ょうか、広葉樹が多くなり 段々色が鮮やかになってきま す。そして樹木の切れたとこ ろでは富士山が姿を現します。 先週、大菩薩峠の稜線から見 た富士山は初冠雪であり、空 気も澄んでいたのでくっきり 見えましたが、今日は雪も少 し消えて水蒸気が上がってい るせいでしょうか、ちょっと もの足りません。 南西方向に向かって歩いて きましたが標高一七〇〇㍍あ たりで西方向に変り傾斜が少 しきつくなってきます。この 辺から広葉樹の割合も多くな り笹の原になって来て、やが て頂上に着きました。途中い くつかのパーティ―とすれ違 いましたが、すでにみんな下 って行き私達のパーティーが 頂上を占拠します。静かな山 です。 東南方向の樹木が切れて富 士山が展望できます。その下、 手前には風化した花崗岩が白 く光る日向山があります。南 方向は樹木越しに甲斐駒が見 えますが、あのどっしとした 威容がズバリ望めないのが残 念です。 食事中にも風が吹くとカラ 雨乞岳(二〇三七㍍) 紅葉と富士山の展 世 望 K佳彦 マツの黄色の葉がさらさらと 落ちてきて、秋の山だなあと 思いました。 山岳写真家の白旗史朗氏の 調査によると「雨乞い」のつ く山は全国に三一あるそうで す。そんなことが頭の中に残 っているとき「今度はどこに 登ろうか」などとガイドブッ クや地図を見ているうちに、 「奥武蔵」中に雨乞山が二つ もありました。この二つが白 旗氏の数える三一のなかに入 っているかどうか、今度足を 向けてみようかと思っていま す。(記 世K佳)

雨乞岳メンバー:K原塚(L)、 S々木M、福D利、美、渡B、 世K佳