2022 年4 月 第一例会(学習会)報告
2022 年4 月5 日 19:15~21:00
シーノおよびzoom 併用開催:シーノ9階:5名、zoom 参加:21 アカウント
テーマ『現在の天気予報技術と山の天気』
<山行計画>
・A部幹さん:4/9(土)沢山行、ウルシガ谷沢
・F田美さん:4/9(土)お花見山行、秩父長瀞アルプス予定
・O野さん:4/29-5/1 北アルプス、扇沢、爺が岳から鹿島槍ヶ岳、ピストンで計画中、車出してい
ただける方を含め募集予定
<学習会>
テーマ【現在の天気予報技術と山の天気】 講師:T田さん
➢ 自己紹介:計算機を使って気象予測情報開発に携わっている。
➢ 『昔に比べて天気予報があたるようになった?』←計算技術の発達により予測精度が向上している。天気予報の精度が向上。
➢ そもそも天気予報の技術が昔と今では異なる。
昔:天気図を書いてベテラン予報官が予測。
今:スーパーコンピューターによるシュミレーション。計算機の発展。
しくみ:数値予測→スーパーコンピュータを用いた気象シュミレーション。観測値や
気象衛星などの世界中のデータをつかって、物理的シュミレーションによる天気の再現ができる。(下図、気象庁HPより)
➢ 気象庁で運用している数値予報
① 全球モデルGMS:解像度20km くらい、10 日後くらいまで予測
② メソモデルMSM:解像度5km くらい、1-2 日後の予測
※解像度:解析範囲メッシュの大きさ
①、②ともネットで閲覧可能
➢ Question「山の天気はわからない?」
・2021 年8 月会報の北岳バッドレスの記録とその時の予測を照らし合わせながら解説していただい
た。(記録に天気と時間経過が詳しく記載されていたため、比較可能。)
・スーパーコンピューターでは山の上はどう見えているのか、①と②のモデルで比較
・解像度(地形)の違いのため、①と②のモデル間で雨の予測に誤差があった。
・時間経過でも雨予測に誤差が確認できた。
Answer:・予報精度は向上したが、平地に比べると外れることがある。(山と平地は違う)
・1 日前の予報は②メソモデルの方がBetter。(Yahoo 天気などはメソモデルらしい)
・風上など周辺に雨予測がある時は要注意。
・湿った空気が山にぶつかる時は要注意。
➢ 山と平地の違い
・高いところは、気温が低く、風が強い
・山では雷雲ができやすい、上昇気流で雲ができやすい、、、など
➢ 天気予報の見方
・スマホでポイント予報だけ見ていないか
・予報精度:EU>日本、USA、ドイツ(windy.com
で閲覧可能)
・再度、北岳バッドレスで比較検討してみると→すべて一致しているときもあれば、異なることもある。当たる予報があれば、外れている予報もある。
・数値予報(天気シュミレーション)では、予測しやすい雨と予測しにくい雨がある。
➢ T田さんからのアドバイス
・山は逃げる。山に行ける時間は限られている。
・天気のせいでいける山を逃さないようにしたい。
・天気予報があたれば安全に山を楽しめるので、今後の予測精度向上に期待してください。
・長く生きていれば、気象予測がさらに精度よく予測できるはず。
➢ 質疑応答多数でした。
・スーパーコンピュータについて
・標高が高くなると予測が困難?→地形の形が複雑・細かくなると難しい
・過去のデータは予測に使われていないの?→過去のデータも予測に使われている。発雷や降水などのデータ。
➢ T田さんより、天気予測データサイトのリンクをまとめたファイルをいただけるとのことです。
有用に使わせていただきましょう。
ご講演ありがとうございました。
報告:I瀬(アイキャッチ画像、windy.comより)