中央アルプス 空木岳 時間切れ撤退 次は登ります!

2017年12月29日

28日、道の駅田切の里は空いていて駐車場の端にテントを張った。遅いのですぐ寝た。

29日、車で駒ケ根高原スキー場近くの林道を古城公園まで上がるとゲートがあった。そこから歩き出す。「あかつきの塔」と呼ばれる展望台が道脇にあり、仙丈を正面に南アルプスの絶景が見られる。凍った林道を転ばないように注意して進む。途中から山道に入り、少し行くと林道終点に着いた。夏はここまで車が入る。

タカウチ場を過ぎ、池山は巻いて雪道を進むと避難小屋のある分岐だ。湧水があり、小屋に泊まるという2人パーティが水を汲んでいた。マセナギまで来ると絶好のテン場があり、先行4人パーティがテントを設営していた。時間があるので、更に先に行くが、大地獄、小地獄は時間的に越えられそうもないので、無名峰2080mの近くにテント場を確保することにした。最初の候補場所の雪均しが終わるころ、別の場所の方が良い気がして、変更を言い出したら、そうしようとなった。それまで、風もなく暖かかったが、この頃から急激に気温が下がり風も出てきた。K池さんは寒さで口がこわばり、エアマットにうまく空気が入れられなかったと言っていた。

張り綱を固定し、全員テントに入り、ガスに火をつけ、湯を沸かし、温かいものを飲めばやれやれだ。楽しい時間が始まる。夕食は、Y城さんが用意してくれたシチュー。アルコールも適度に回り、満足してシュラフに潜った。

夜半に目が覚めた。23:30頃だと思う。ひっきりなしにゴーと風が唸り、それに続き、フライがバタバタとテントを叩く。翌日が気になりだす。登るどころか、うまく撤収して下山できるか? 不安で益々目が冴えてくる。H川さんの寝息が聞こえる。そういえば、強風の中、T重さんが憎らしいくらい気持ちよさそうに眠っていたことがあった。これぐらいで動揺していてはだめだと思いながらも眠れない。不安が過去の不安を呼び覚ます。もう25:30だ。

30日4:00、Y城さんの声で目が覚めた。いつの間にか眠ったようだ。みんな眠れなかったようで、気力が萎えた。大勢はこのまま帰るという意見だ。

だが、S田さん担当のご飯、サケ、みそ汁の朝食を準備していると風が収まってきた。で、行けるところまで行くことにした。

小ピークを2つ越すと、大地獄だ。

宝剣が青空に映えている。甲斐駒から赤石までの南アルプスの白いつながりも見える。岩と雪の痩せ尾根の登りで、至る所に階段や鎖がセットされている(写真↓)。

アイゼンの爪の効きを確認しながら、越すと迷い尾根だ。夏道は2282mピークを巻いていくが、冬は直登するようにテープが巻いてある。ここで我々を含む4パーティがルートを探す。Y城さんが直登ルートの工作を完了したところで、時間切れ、引き返すことにした。結局4パーティ中3パーティはここで引き返した。

帰路、南アルプスの山々を眺めながら下った(写真→)。

行くときは感じなかったが、帰りの林道は長かった。

途中で撤退となったが、アイゼンをつけての雪と岩の登り、ロープを出してのルート工作、夜半の強風、テント内の楽しい団欒と内容は十分ある山だった。次は登ります。

(記:O野)

(メンバー)(L)Y城、H川、K池、S田、O野

(行動記録)川越28日21:30―26:00道の駅・田切の里29日6:45―車止めゲート7:40―9:00林道終点―11:20池山小屋―14:00無名峰2080m(テント泊)30日7:00―9:00迷い尾根―10:00無名峰2080m11:30―12:30池山小屋―15:15車止めゲート

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