2020年8月13日
高峰高原と湯の丸高原の中間に位置する、標高2,040mの三方ヶ峰の火口原に広がる池の平湿原を歩いてきました。7月~8月に咲く花々を愛でながら、夏山を堪能しました。ここ数日の猛暑日を忘れてしまう程、湯の丸高原はとても涼しく、時折吹くひんやりした風も心地よかったです。
マツムシソウと雲海(三方ヶ峰より)
至るところに高山植物が咲き誇り、まるで雲上の楽園のようでした。濃いピンク色のノアザミから淡い紫色のマツムシソウが咲き誇り、終始賑やかな登山道に癒されます。
三方ヶ峰の南斜面では、「高山植物の女王」といわれるコマクサを鑑賞することもできます。北アルプスに比べて花期が早く、すでに終盤を迎えていましたが、植生を保護するグリーンロープ越しに美しい薄紅色のコマクサが咲いていました。植物が生育するのに最も厳しい環境の砂礫地に根を下ろす高山植物の姿は、いつも感動します。
家族連れで賑わう池の平湿原に到着すると、ウメバチソウ、ツリガネニンジン、ハクサンフウロがたくさん咲いていました。また、その花の蜜を求めて、ベニヒカゲが仲良く飛んでいました。
ベニヒカゲ
東篭ノ登山と西篭ノ登山は溶岩ドームで、三方ヶ峰は成層火山とのこと。40万年~20万年ほど前に活発な火山活動をした浅間・烏帽子火山群の集合体。三方ヶ峰の直径700mほどの中心火口が現在の池の平湿原で、かつては火口湖だったそうです。地形図からもよくわかりますね。
池の平湿原を抜け、東篭ノ登山の山頂に到着すると、水ノ塔山へ向かう赤ゾレの稜線が見えます。
ここにもオンタデとマツムシソウが咲いています。
お花の山なんですね。
赤ゾレの稜線(東篭ノ登山より)
赤ゾレの稜線を進むと、淡いピンク色のイブキジャコウソウの群落をたくさん見かけました。
赤ゾレを通過します
イブキジャコウソウの群落
水ノ塔山に到着すると、休憩されていたご夫婦に記念写真を撮っていただきました。
写真を撮っていただいたご夫婦に、「西篭ノ登山の西側斜面にコマクサが咲いているかもしれないよ」と教えていただいたので、それを楽しみに西篭ノ登山へ折り返しました。静かな西篭ノ登山に到着すると、西側の砂礫地に見事なコマクサがひっそりと咲いていました。どうか大きく逞しく育って欲しいなと心から思いました。
コマクサ(西篭ノ登山の西斜面の砂礫地)
色濃く見事な大株
■メンバー リーダーH川、O川
■コース
湯ノ丸高原 蔵峠~見晴岳2,095m~三方ヶ峰2,040m~池の平湿原~東篭ノ登山2,227m~水ノ塔山2,202m~西篭ノ登山2,212m~池の平湿原周回~地蔵峠
■コースタイム 7時間半
記:O川