奥多摩 川苔山のウスバ(カ!)尾根

2019年4月9日

ボッカ訓練に行きたいと云ふ男ありけり。高くない所、ロープを使わぬ所、早めに帰れる所が良しと云ふ。誰も付き合ってくれぬなら一人で行くと言い張る。この我儘困ったものなり…。
仕方ないなぁと、急に決まった山行は川苔山のウスバ尾根。昭文社の地図を見ても登山道の表示はない。ヤマレコの『みんなの足跡』にも軌跡はない。PCのブログを見ると何件かあった。それによると急登が続くらしい。ボッカ訓練にはちょうどいいかも。でも大変そう。

竜王橋近くに車を停める。沢の対岸の尾根がウスバ尾根らしい。見上げる尾根は急登以外何者でもない。「うわー!すごい急登!」「ダメだ、心が折れた!荷物置いてく」とリュックの中身をドンドン出して出発。あれ? ボッカ訓練?

尾根に取り付く。やはり急登だった。ボッカ訓練やめて良かった。が、ホントにバリ? というほど踏み跡ははっきりしてる。昨夜の雨のせいか空気が冷たい。九十九折の登りが続く。
傾斜が緩くなりトラバースになる。その尾根の突端で1本。眼前の尾根を見上げ「ねね、この尾根を行くんじゃない?」「イヤイヤ、踏み跡がはっきりしてるからこっち(トラバース)でいいんだよ」「えー、でもプログには白テープを追って尾根を登るって書いてあったよ」「イヤイヤ、大丈夫。この先の向こうの尾根を上がればいいんだよ」「尾根を外れてトラバースになったら間違いだって書いてあったよ。トラバース道は作業道だって」「イヤイヤ左に上がればいいんだよ。云々カンヌンヘッタクレ…」まいいや。地形図を見ても危険そうな所はないし、とにかくどこかの尾根を登れば良さそう。と思いつつも30分くらいずーっとトラバース! 「これ、もうウスバ尾根じゃないよ」「イヤイヤ、行けそうな所で左の尾根に上がればいいんだよ」『まったく。爺さんのヘソ曲がりメ』と思いつつやっと尾根に取り付く。これ以上トラバースを続けると反対側に下りてしまいそうだ。「これ絶対ひとつ先の尾根だよ。ここウスバ尾根じゃなくてウスバカ尾根だよ」ギャーギャー言いながら登るが、尾根上の踏み跡もはっきりしている。途中に古びた指導標もあり『ウスバ乗越・川乗山』と上を指している。もしかすると昔道かも。鹿避けのネットの脇を登るが、次第にそれは尾根を外れていく。私達はネットを離れ、尾根筋を忠実に登る。もう踏み跡は無く樹林帯の中のザレ場。後ろを見ると自信満々(だったはず)のリーダーが地図ではなくスマホで確認している。『ヘン!自分だって変だと思ってるんじゃない! ま、この辺直登すればいいからリーダーも意地を張ったんだろうなぁ。現在地が判ってるから道迷いは無さそうだし、まっいいか』やっぱりここはウスバカ尾根だ! こうなったら直登あるのみ。ザレた針葉樹林帯直登!

登ること35分、先にピークが見えてきた。ピークを越えれば、多分その先には一般道。昨夜の雨がこっちでは雪になったらしく、ヤセ尾根に雪が付いている。わ、コワ。滑りそう。藪漕ぎの後、広い登山道に飛び出した。あとひと登りで山頂だ。ウスバ乗越経由のはずだったのに、随分アルバイトしたね。

平日にもかかわらず、山頂には人が多い。肌を突き刺す寒風の中、富士山と記念写真を撮りそそくさと下山開始。下山は百尋ノ滝経由の一般道。

ひと下りした所で昼食。もうこの時間じゃバスもないから登ってくる人もいねえよと、登山道のど真ん中にシートをドーンと敷いて昼寝をし始めた奴がいる。が、その気持ち解る。山頂の寒風はここには無く、青空をバックに冬枯れ の木立、足元にはスミレと地衣類。きーもちいい。

マッタリしていたいが、まぁそうもしていられないと下山再開。次は百尋ノ滝。ほんの少し登山道を外れて滝壺へ下りる。水量が多いのか少ないのか判らないが、轟音を立て、しぶきを上げて落ちてくる滝と、その下にキラキラ光る水面。大きな岩とその下に広がる砂地。だーれもいない。滝の音のみ。青空のもとでまた昼寝30分。

下山再々開。あとは一般道を車に戻るのみ。
バリ尾根ではあったが、気楽な尾根だった。雪が付いていたらまた別の楽しみがありそうだ。

リーダーH竜、サブリーダーS田と、TN

山行日 4月9日
コースタイム(休憩・お昼寝含)
P8:35-ウスバカ尾根取付き10:15-一般道出合11:00-山頂11:15~11:35 -山頂下休憩11:45~12:20 -百尋ノ滝13:15~14:00-P14:40

記:TN