KTさんの「高尾山に着生ランのセッコクを見に行きませんか?」のメーリングを見て自然界に咲いている本物を見たいと思って参加しました。 登山口である、高尾山口は平日にも関わらず、遠足の小学生や、外国の人、年配のグループ、若者たちなど人であふれていた。私たちは沢沿いの登山道の六号路で行く。ここは登山者も比較的少ない。所々で花を探しているグループに合う。沢を吹き抜ける風が心地よい。琵琶滝と大山橋の中ほどまで来ると、人だかり、セッコクの花を見ていた。セッコクは沢沿いの杉の大木の上のほうに、沢山の小さな白い花を咲かせていた。腕のように横に伸ばしているたくさんの枝に着生して咲かせている。中には糸のように垂れ下がって、咲いているものもあった。日当たり、風とおし、湿気など、微妙な環境で杉の枝に着生しているのだろう。初めて見る幻想的な素晴らしい光景だった。更に登っていくと、細くなった沢沿いの反対側に花を見ているグループがいた。さわるりそうの花を教えてもらった。白い小さなムラサキ科の花だ。更に進むと、沢の源登部で花を探している人にあった。イナモリ草を探しているとのこと。先を歩いて、「咲いていましたよ」と待っていてくれた。見過ごしてしまいそうな小さな花だった。薄紫の五ミリほどの星形の可憐な花だった。山頂に近くになってイチヤクソウの仲間のウメガサ草も登山者に教えてもらった。見落としてしまいそうな地味な白い花だった。息を切らしながら、急な木の階段を上ると山頂に出た。山頂では沢山の小学生が楽しそうにお弁当を広げていた。富士山の裾まで望める広々とした山頂で老いも若きも、外国の人びとも憩えて、癒される山が大都会東京のすぐそばにあった。普段ほとんど人に合わないような静かな山を好んで歩いている私も、高尾山の秘めている多様性に学ばされたことが多かった。下りは三号路でくだる。ここは歩いている人もまばらで、サイハイランの群落が何か所もあって、初めて見る光景にびっくりした。イナモリ草の大きな株にも出会えた。花の時期を過ぎた沢山の種類のすみれの群落もあった。きっとタカオスミレもあったのでは?下山で出会った人が話していた。「高尾山は古刹、薬王院の信仰の山、『殺生はしてはいけない』という掟がずっと守られ、一切人の手を加えることなく、豊かな自然が保たれて来た。」と話してくれた。(記 K原塚)