山行実施日;2011.10.11-13
参加メンバー;Te.I
白神山地の盟主・白神岳は、一般登山者にはあまり知られていない静かな山だったが、ブナ原生林保護運動の成果によって、一躍知名度を高めた。山頂からは白神山地核心地域の雄大な景色を見ることができ、山頂にはトイレと避難小屋がある。が、世界遺産登録以降登山客が増えオーバーユースが懸念されている。
白神岳を最初に計画したのは18年前の1993年の夏で、その時の記録を読み返し、若かった頃を思い出している。その時は北海道の旭岳、北鎮岳、幌尻岳を登り、その帰りに登ることで計画した。青森、東能代を経由して陸奥黒崎駅(今は白神岳登山口駅)に昼過ぎに到着する。テントを張る場所もなく無人の駅の待合室に泊まる。台風が近づいていて風が強かった。翌日も風雨強くて結局登ることを断念して秋田に移動、鳥海山を祓川から登って帰ってきた。未だに白神岳は登り残した山の一つになっていた。
会の数人が白神岳へ行くとの話題で山行の検討を始める。何処かで合流することで日程を調整した。が、野暮な用事で日程をずらして出発することになってしまった。夜行バスで秋田に早朝着、奥羽本線で東能代、五能線に乗り換えて白神岳登山口駅に9時前に到着する。ホームの傍に昔お世話になった待合室があった。懐かしく中を覗いてみる。横になって寝かせてもらった長椅子が、一人用のベンチに変わっていた。外壁と扉も新しくなっていた。
無人駅の改札を出ず線路を横切り国道に出て、右に暫く行くと登山口の立派な看板があった。車道をのんびりと登り始める。途中の畑の傍に「熊捕獲用の檻」がある。熊が出るとは聞いていたが・・・。少々気を引き締めて進む。紅葉は少々早い感じ、黙々と車道を登る。登山口で一休みして登山道に入り二俣からは蟶山コースを進む。蟶山分岐からはブナ林の尾根が続くが紅葉は今一、猛暑で葉が枯れているのが目立つ。森林限界を超えると右手に白神岳の山頂が望める。大峰岳分岐を右に曲がり暫く進むと避難小屋のある山頂に到着する。東側はしっかり紅葉したブナ原生林と白神山地の最高峰・向白神岳、その奥に岩木山、西側に日本海、南側に男鹿半島、眼下に津軽西海岸、深浦町(旧岩崎村)が見える。
避難小屋は三段ベット式で、分厚い銀マットが全面に敷かれている。少々早いが宴会モードに入る。山頂に泊まるもう一つの目的、日本海に沈む夕日を眺めるのを期待した。が、天気も不安定に変わっていたこともあり、また、その時間にはすっかりと酔っていて避難小屋から出て行くのが億劫になって見逃してしまった。
夜半から風も止み、翌日はよい天気で明けた。用意した熊よけの熊鈴と笛を用意して出発する。崩山への縦走路は手入れがあまりされていないらしいので雨具(ズボン)姿で縦走路に入る。稜線は紅葉が進んでいて崩山までブナの黄葉が絶えることなく続いていた。縦走路はアップダウンの多い道で、踏み跡はしっかりしていて迷うことは無いが、下草や刈込などの手入れはほとんどされていない。縦走路に入ってしばらくは気持ち良く展望を楽しめたが、その後は紅葉を楽しめるが展望はあまりない。写真を撮りながらのんびりと歩く。黄葉色の紅葉に染まった後、崩山から急坂を下り大崩山へ向かう。山頂は足もとから崩れ落ちていて、日本海を背景に十二湖が眺められる。十二湖・青池登山口に到着する。観光客が多い。予定よりかなり早く到着したので十二湖駅まで歩くことにする。国道へ出て直ぐに十二湖駅がある。手前の食堂に入り一次会打上をする。移動し「あきた白神駅」で下車、駅前の温泉で汗を流す。東能代駅で二次会用のお酒を買い込んで秋田までのんびりと二次会を楽しむ。
長年の宿題も達成でき、3日後からのネパールトレッキングのことを考えながら安らかな気持ちで夜行バスに乗る。
南与野-新宿駅西口22:10-高速バス(バス泊)-秋田駅東口6:10、6:24-東能代駅-白神岳登山口駅8:59、・・・登山口9:50・・・二俣分岐10:20・・・水場11:00・・・白神岳13:10(避難小屋泊)6:00・・・大峰岳8:00・・・崩山9:15//9:30・・・十二湖駐車場10:40・・・国道12:30頃(食堂にて一次打上)・・・十二湖駅13:30、14:06-あきた白神駅14:57・・・(温泉入浴)・・・あきた白神駅15:57-東能代駅-秋田駅18:26、22:20-高速バス(バス泊)-新宿駅西口6:20-南与野