夜明け前の千枚小屋からは、富士山の右上にオリオン座が昇りシリウスも瞬いているのが見える。カメラをセットするが、広過ぎて収まらない。しかも、カメラの感度も悪く思うように写らない。諦めて宿の寝袋に戻る。起床すると富士山が、朝焼けの中に見える。何とも神々しく威厳がある。19日に埼玉を発ち新静岡ICから車で2時間、臨時駐車場から東海フォレストバスで1時間、さらに翌20日に椹島から歩き出し9時間、やっと辿り着いた千枚小屋。熱い飲み物とごく軽く朝食を食べ、その千枚小屋から朝焼けの中の富士山を見ながら早朝5時頃から悪沢岳を目指す。高度も上がり、日も昇り雲海も富士山も表情がほんの少しずつ変化している。虹のような彩雲が富士山上空に輝き出している。慶雲(キョウウン)、瑞雲とも呼ばれよいことが起こる前兆とされているらしい。だが、雲は増えて来て遂に富士山も隠れてしまう。花を観ながら展望を楽しみながら小屋に戻ると、富士山は、また姿を表してくる。やがて、夕日が当り始め赤く染まり出してきた。頂上には白い笠らしき雲を小さく乗せている富士山は南アルプスから観る姿が一番好きである。台風を追って帰埼する。新東名道から五階建ての笠雲が富士山にかかったり、燃えるような夕焼けをバックにしたり、同じ表情は続かない。「体と五感」を癒し、中高年らしくゆっくりと自然と向き合う山旅も、それはそれでまた味わいがあり楽しい。絵手紙の小池邦夫氏は『下手でもいい、下手な方がいい』と言っている。
【山行日】H28年8月19日~22日
【参加者】K原塚、W部、KT
当薬竜胆(トウヤクリンドウ) 松虫草に高山蝶 紅日影(ベニヒカゲ) 赤石竜胆(アカイシリンドウ) 三伏竜胆(サンプクリンドウ) 小米草(コゴメグサ) 高嶺ビランジ◇名前に誤記があるかも?奥が深いと聞いて登ってきました。清水インターより畑薙駐車場、そして東海フォレストの車に乗り換え、椹島ロッジまで一日。千枚小屋まで樹林帯の中、一日。千枚小屋は築四年目とのこと。木の香も残りきれい。ここから千枚岳・丸山・お花畑・荒川岳・お花畑と、ピストンで千枚小屋に戻りました。最後の余力を残し、ゆっくり体を休める。前夜の食事は人数が多く、二部制でしたが、今日は六人で六時です。食事しながら映りの悪いテレビで台風の事を知りました。初日の千枚小屋で朝焼けの富士山も見え、周りの「彩雲」も教えてもらいました。お花畑では無数の昆虫が蜜を争っている。荒川岳を背に、右は赤石岳、聖岳、左は塩見他、三千メートル級の山並みと雄大さ。ヤッター!リーダー、サブリーダー、楽しかったネ。ありがとう。(記 W部)
メンバー:KT・K原塚・W部