奥多摩 榧木尾根(かやのきおね)から水根山 挫折と反省のバリエーション

2019年9月20日

『バリエーションハイキング』松浦本の3つ目のコース「倉戸山大麦尾根から入奥沢中腹道」☆2つマークに誘われて、平日山行に出かけた。休日と異なり、奥多摩湖行バスの乗客は少なく、水根で下りたのは私一人だった。見慣れた駐車場の先にトンネルがあり、躊躇なく入ってしまった。ちょうど工事中で作業員の方が、出口までエスコートしてくれた。出口で工事の人に登山道を尋ね、GPSも地図も確認しないで、階段を登り始めようとすると、「猿がいるから気を付けて」と言われた。少し登り始めて、トンネルの上に大麦尾根に続く遊歩道と八方岩展望台があることを思いだし、取り付きを間違えたことに気づいた。

大麦尾根への入り口

遊歩道の案内板を見て大きく迂回して八方展望台に続き、目的の大麦尾根に至ることが分かった。ここにはクマ出没・熊目撃情報の看板がかかっていた。奥多摩湖を見ながら遊歩道を歩いていくと、やっと二つのベンチの先にフェンスの扉が見えた。

少し躊躇した。猿と熊、このフェンスを入ると彼らの領分に入るような気持ちになった。でも、なだらかな尾根が見え「どうぞ」と私を誘っている。広い尾根なので熊が出てはこないだろうと私なりに考えて「えぃ、行こう」。

倉戸山までは広いなだらかな尾根で歩きやすい。残念ながら展望は無いが、ちらちらと奥多摩湖が見え隠れしていた。榧木尾根はさらに歩きやすく、ブナや落葉樹に囲まれていた。ところどころにイノシシの泥浴びの跡がいっぱい。登山道に彼らが滑った後も着いている。その滑り後にそっと自分の靴を重ねてみる。クマと猿とイノシシに警戒し、声を出したり、歌を歌ったりしながら歩いた。途中、猿に食べ物を獲られたハイカーの話を思い出して、行動食も取れず、水と飴だけで榧木山に到着。ここから水根山まではなだらかな起伏があり、水根沢への分岐に到着。下山ルートに加藤さんから勧められた水根沢方面の看板には2018年6月 登山道は斜面が崩れているため通行不可と書かれていた。事前に確認せずに来てしまった。

続いて中腹道の分岐が見つかった。ここにはロープがかかっていた。目的の中腹道はトラバース道で踏み跡が付いていたので、そのまま西に進んだ。途中大きく北に進路が変わるあたりで、踏み跡を見失ってしまう。歩きにくい斜面を上と下を探した。GPSで確認しようと開いたら、その部分が明確に出てこない。事前にスマホに取り入れた時に、倍率を大きくしなかったためである。さらにGPSの地図には中腹道が書かれていないことが判明。地図とコンパスとGPSの高度計を頼りに進もうかどうか、迷った。すでに時間は12時30分を過ぎた。お天気も曇り空、それに猿と熊と猪。尾根を下るのとは異なり、トラバース道は道を見つけにくい。

中腹道へ

心細くなり早々に撤退を決め、一番安全なピストンを選んだ。倉戸山からは尾根の末端の倉戸のバス停まで案内板が続いていた。一つ先の郵便局のバス停で、無事下山できたうれしさも感じられず、昼食をとりながら、帰りのバスを待った。

事前の地図読み不足、取り付きの確認ミス、GPSの操作の不手際、エスケープルートの未確認、自然に囲まれている恐怖等をさんざんに味わった山行になった。

唯一の慰めは多種類のキノコに出会ったこと。様々な色のキノコがすくっとカッコよく大地から生まれ出ていた。

<コースタイム>

登山口529m8:25―フェンス705m9:21―大麦尾根分岐950m9:54―倉戸山1169m 10:33―榧木山1485m11:29―中腹道分岐1496m12:05―中腹道1396m12:20―榧木山12:50―倉戸バス停541m14:40

赤いキノコ

白いキノコ

遊歩道からの奥多摩湖

ホオノキの実

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