天国のお花畑と地獄の雷雨 白馬大雪渓―白馬岳

2021年8月1日

2021年8月1日(日)

3:00

夜半のスコールに浅い眠りの中で不安を覚えつつ、スマホのアラームで起床。GKリーダーとT川さんと猿倉の登山口に向かった。

4:00すぎ

夜が明けはじめ、猿倉登山口から歩き始めると天気は回復傾向? と思わせるような青空が広がった。1時間ほど歩くと白馬尻山荘に到着したが、小屋は休業中のため、小休止して先に進む。ほどなく雪渓が現れた。「すごい! 本当に雪だ!」あっという間に目の前に広がる雪渓に心を奪われた。

GKリーダーから雪渓のイロハ&アイゼンの装着方法を教えてもらい、雪渓を登り始める。涼しくて気持ちいい! とご機嫌のスタートだったが、慣れないアイゼン歩行に緊張しまくり、下ばかりみて景色を楽しむ余裕なし(笑)

1時間ほど登ると霧が出始め、あっという間に10m先の人の姿が見えなくなるほどになった。「すごいっ! ものすごく怪しい感じで日本じゃないみたい」とこの先の天候に不安になったが、GKLの「この雪渓を越えるとすごくきれいなお花がたくさん咲いている」の言葉に励まされ、どんどん登って行った。

雪渓登りに慣れてきて楽しくなり始めた・・2時間ほどで、雪渓登りは終わり、土の夏道に戻ることに・・。GKリーダーによれば、もっと長く倍くらい登れる年もあるそうだが、今年は雪が少ないとのこと。残念! アイゼンを外し、土と岩の道を登り始めるとGKLの予告通りお花が待っていた。

立派なきれいなウルップ草

ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲ、クルマユリetc、覚えきれないほどのたくさんのお花たち。日頃は「花よりだんご」の私もすっかりお花に夢中になり、3人で写真を撮りまくった。

「うわぁ~綺麗! すご~い! やだぁ~!」同じ言葉を発しながら(人は感動するとボキャブラリーが乏しくなるものなのか(笑)お花畑を満喫しながらゆっくりと登っていく。

突然GKリーダーの「ウルップ草だ!」とこの日一番の喜びの雄たけびがあり、可愛らしい小ぶりのウルップ草と出会った。この先にきっともっと立派なウルップ草があるはず! とそこからはウルップ草探しに三人で執念を燃やしながら登った。そしてついに発見! 立派なきれいなウルップ草に遭遇。

11:00

村営頂上宿舎、到着。

ここから白馬岳に行かずに旭岳に向かうのがGK流。「旭岳に向かう途中にとても魅力的なお花畑がある、行きたいところに行くのがGK流」と笑うGKさんに登山初心者の自分はとんでもない魅力と安心感を覚えた。

歩みを進めて少したつと今度はT川さんから喜びの声が! 「雷鳥だ!」可愛い! 感動しすぎてその場からしばらく動けなかった(笑)絶滅しないでくれてありがとう!

12:00

旭岳に登る少し手前のお花畑の中、朝日岳を眺めながら昼食。

GKリーダーから「やっぱり今日は旭岳はやめてこのまま白馬山頂に向かおう!」との提案があった。お目当てのお花が咲いていないからとGKリーダーは言っていたが、きっとT川さんと私が白馬初めてだから白馬登頂にしてくれたに違いない。気遣いがとても嬉しく心に響く。

13:00

白馬山頂に到着。

景色が美しすぎて、お花が綺麗すぎて、このまま下山するのが勿体なく感じた。今度またゆっくり泊まりで来たい。

13:30

下山開始とともに雨が降ってきた。どんどん雨が大粒になるかと思えば、やんで晴れ間がのぞく、また雨・・を繰り返す中での下山となった。雪渓に着き、アイゼンを装着して準備していると雷が鳴りだし、雨が激しくなってきた。

歩き出すと雨から雹へと変わり、すさまじい稲光が襲ってきた。

「雷さん、落ちないで! 落ちないで!」と祈りながら雪渓を降りていくと、T川さんが前方を軽快に降りていく。揺るぎない歩みで進んでいく後ろ姿に思わず惚れた(笑)。

雪渓も無事に降り、再び土の道を下山。正直、この頃にはくたくただったが、GKリーダーとT川さんの何気ない「山経験の話」が私にはたまらなく面白く、頑張って歩けた。

17:30

下山完了。

【山行を終えて】

とても一日であったこととは思えないほど、いろんなものに出会った中身の濃い山行だった。

登山靴を始めて履いて登った初心者の私にとっては多分、かなりハードなものだったに違いない。けれど今もとてもきれいな空と山とお花たちが残像として私の中によみがえってくる。

「気の合う仲間と山は自分の宝なんだ」(GKリーダー名言集より)私も山が好きになりました。

メンバー:GK(L)、T川、U飼

記:U飼

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