八甲田山・岩木山・蔵王山
2025年5月2日(夜発)~5月5日
当初は杓子岳へテント泊の計画だったが、せっかくの連休がもったいないというところから始まったこの企画。日程が近づくにつれ、天気予報が不安定な方へ向いていったが、とりあえず行ってみて登れるところで登ろうとなった。
集合の5/2は朝から大降りの雨でどうなることかと思ったが、東北道を北上していくうちに晴れ間が出てきた。
しかし青森まで自走とはようやる(笑)
酸ヶ湯から入山するが、ニュースで名前を聞いたことくらいしか無く、本当に遠くまで来たものだと実感した。
各々準備をして歩き出す。予報は良くなかったのに空が気持ち良いくらい青く晴れてくれた。
コース的には登山口から750mくらい上がるが、雪は締まっていて、スノーシューを持ってきた私はお気楽ハイキングだ。
頂上直下は斜度が少しキツくなったものの、危ないところは無く、全体的に歩きやすい。
頂上からは遠くまで見渡せて、どこまでも山々が広がる。東北のこの広大さが私は好きだ。
その夜はキャンプ場で宿泊し、KKさんが作ってくださった鍋をいただきながら酒を飲み、遅くまで山の話を聞かせていただいた。私にとっては至福のひと時であったが、気付けば朝になっていて床で寝ていた。翌日は十和田から岩木山へ向かう。やはり予報は良くないものの、雲は流れているので頃合いを見て登ろうとなったが、弘前でもう少し時間を遅らせた方が天気も好転しそうとの事で弘前城を観光することに。
こんなに弘前城と分かる城もないだろう(笑)ちょうど桜まつりの時期で時間潰しに立ち寄ったつもりが充実した観光となった。その後は岩木山へ向かう。天気的にこれ以上は良くならなそうなので、下から登るよりも八合目まで車で行って、そこからピークだけでも踏もうとなった。麓は良く晴れていたが、岩木山のピークは雲の中。
八合目駐車場では強い風が吹いていた。
昨日の八甲田とは打って変わってなかなか荒天だ。気温は0℃、瞬間風速は20mくらい、歩くのも気を抜くと風に押し倒されそうになる。雪も少し歩くと消え、濡れた岩場の方が冬靴的にはよっぽど悪い。
やっとの思いで踏んだピークも眺望は無く、強い風が吹きすさぶばかりだ。
しかしながら荒れている山も嫌いではない。状況が悪い方が学びも多いからだ。
その夜は鯵ヶ沢のキャンプ場に泊まり、地場の居酒屋で夕食を摂り、またコテージに戻り晩酌をする。
翌日の予定は当初秋田駒ヶ岳であったが、天候を考えるともう少しショートルートが良いとなり、私の行ったことのない蔵王山に登ることになった。蔵王エコーラインから蔵王ハイラインに入れば標高差200mくらいで山頂という、もはや登山と呼ぶにも恐縮なコースだ。
翌朝、鯵ヶ沢を早く発ち、東北道から蔵王山を目指す。途中のSAで盛岡じゃじゃ麺を食べ岩手をも楽しんだ(笑)
この時はまだ、行く先に試練が待ち受けているとも知らずに・・・。
しばらく車を走らせ、福島県側から入っていく。遠刈田温泉の先、蔵王エコーラインから入っていくハズなのだが、なんと、凍結の恐れでエコーラインが通行止め!
マジか?!ここまでお気楽登山を続けたからバチが当たったのか!!とてつもない絶望感に襲われたが、せっかくここまで来たのだから行けるところまで行ってみようとなり、エコーラインに徒歩で挑む。
来た道も17時で閉鎖のような立て看板があり、速足で歩く。この時既に12:30。
しかし、怪我の功名というのか、エコーライン、ハイラインの雪の回廊が素晴らしい。
本来ならこの道は自動車道で歩行者は入れず、開通前なら除雪も行き届いておらず、こうはならなかったであろう。
ひたすら車道を歩き、刈田岳まで辿り着く。
せめて御釜まではと思っていたが、早いペースで進み、山頂の熊野岳を目指す。
途中、いくらか雪は残るものの、傾斜も緩くハイキングシューズで難なく歩ける。
風は強いが、昨日の岩木山ほどではなく、雲は少なく遠くまで見渡せる。
道路が通行止めだったせいか、私達以外で入っている人は3人ほどで、百名山とは思えないくらい静かな山頂を楽しめた。
蔵王山の信仰は古く、山頂は歴史を感じられて厳粛な雰囲気だ。
今でこそロープウェイや道路が出来ているが、麓から登れば深い山だと聞いていた。
下りの道ではあの雲は珍しいとか、どうしてこの雲が出来るのか、などと解説してもらいながら歩く。確かによく目を凝らすと雲が生まれていくところが分かる。
普段、気にすることのない景色も特別だと知ることで一気に価値を感じる。
この何気なさを感じ取れることも登山の魅力の一つであると思う。
今回、2泊4日のタフな旅程だったが、参加できて本当に良かった。
いつか登りたいと思っていた山々が3日で3座も踏めたからだ。
世はゴールデンウィークだったが、こんなに楽しんで申し訳ないと思うほどに充実した連休の遠征であった。
■日程 2025.5.2(夜発)~5.5
■メンバー KK SM(記) 会員外1名
■ルート 5/2(夜)東川口駅発~ 5/3八甲田山~5/4岩木山~5/5蔵王山~帰京