西会津;大白森山 今年は豪雪で寒い冬

山行実施日;2012.02.17-19
参加メンバー;Sh.S、G3

2月17日(金)昨年の11月に川乗でクライミングをしているとテントウムシが岩を覆っていて、足の踏み場もないとはこういうことなのだと実感した。足を置けないどころではなく、口にも入ってくる始末であった。そして、石井スポーツに買い出しに行くと、雪国の地元ではカメムシが多く、今年は大雪だと言っているということだった。まさにその通りになった。1月に大白森山を計画したが、ちょうど天候が悪かったので中止にした。やはり、この山は天気のよいときに登りたい。2月に入り、どこの山に行こうかと思いながら、今年の雪の多さで、再度大白森山を計画した。天気はよくないが、もう行くしかないだろうと、新しくした車にキャリアを積んで2人のザックを上に乗せ出発。19時に上尾を出発すると雪が降り出した。雪は南岸沿いだが、東北道を北上して白河近くになってようやく星が見え始めほっとする。幕場をどうするかいろいろ探し、最近できた羽鳥湖高原道の駅にした。夜になり低気圧が通り過ぎたようで風が強くなるが、テントの中は快適だ。それぞれ持ってきた酒を並べ入山祝いをして明日の山行に期待を膨らませた。

2月18日(土)自販で暖かい物を飲みながらテントをたたみ出発だ。気温表示はマイナス8度。ちょうど除雪をしていた人が自販に立ち寄り会話をすると、下の集落はマイナス12度ぐらいとのこと。川沿いは寒いようだ。山の上はかなり冷えていそうである。

道の駅は、羽鳥湖スキー場の近くなので除雪がされているが、凍結していてスリップしないかと慎重に下っていく。二岐温泉に着くと賑わっていて、一番奥の柏屋旅館の駐車場は一杯だ。手前の大和館の広い駐車場があったので、駐車をお願いすると快諾が得られ、「今年は雪が多いので、無理しないようにね」とアドバイスもしていただいた。さて、出発。柏屋旅館を過ぎ、橋ところまで除雪されていた。雪が多いとのことだが林道は膝下ぐらいで、登山口から少し上ったところからワカンを履く。鬱蒼としたヒノキ林を抜けると雑木林となり、夏道は窪地になっているようなので尾根を拾って登る。かなり急登だが、雪がしまっているので登りやすい。汗をかきながら稜線に出る当たりで赤布を3つ結んでおく。表示がなけば下降点はわからないだろう。曇っていて景色を楽しみにしていたが、明日の晴れたピークを期待して登る。雪尻の具合をみながら快適な尾根歩きだ。蟻の戸渡りはロープが張られていた。アイゼンに履き替えて渡る。一ヶ所かなり狭いところがあったがさほど苦もなく通過した。

高所恐怖症のNちゃんはかなり緊張したようだが。Tさんは、その先の太い木をロープに捕まりながら回り込むところで緊張したようだ。山の西面はブナの原生林が広がり、それだけでワクワクさせられたが、東面はすべて伐採され細い灌木がまばらに並んでいるだけだ。その分見晴らしはよいのだが、稜線上に残されたワイヤーに巻かれた太いブナやダケカンバが痛々しかった。ようやく小白森山に着くと、ピークは細長く広い。とても見晴らしがよく、晴れていれば歓声があがるだろう。しかし、低気圧通過後のピークは雲に覆われて東からの強い風が右のほほを痛いほどに当たる。ストックを持つ手も指が凍傷になりそうだ。痛い指はもまないようしにして、ストックを持ち替えて指を開閉して動かし、血流を促す。小白森山を下り鞍部手前の西面に雪の吹きだまりがあり幕場とした。平で風が遮られており、快適な幕場だ。ワカンで踏むだけで雪も締まっていてすぐに整備された。借りてきた大宮労山の5テンを広げる。4人で使うにはちょうどよい広さだ。今回の食担は偏食の多いNちゃん。しかし、普段から自炊をして食べるものには気を遣っているので味の方はなかなかである。今回はキムチ鍋ということで新鮮な豆腐も持参だ。食材を何度も投入し、いろいろな味を楽しみながら酒をいただく。

この4人のメンバーは昨年12月に谷川を登ったのが初めてで、今回2度目となる。Sちゃんは初めてのワカン使用だ。雪は締まって登りやすいがラッセルの経験がないのでどう登るか、雪尻をどうかわすかと、わいわい楽しんで登ってきた。そんな新たな出合は、自分のそのものの姿を見せるわけだが、Sちゃんのどこでも直登というまっすぐな性格を酒のつまみにしながら楽しい話題で盛り上がった。正直、雪が多いので、小白森山までで引き返しかと思っていたが、この調子だと計画通りに行けそうなので2日目を楽しみに5時―7時を確認してシュラフに入る。

2月19日(日)期待した天気の回復はまだ遅い。ときどき青空がちらりと覗くがすぐに雲が覆ってくる。一杯山への登りは意外と急登だったが、二杯山へは緩やかなアップダウン。そして、二岐山からの稜線と合流したところは広く、大白森山に続いている。元気なTさんはぐんぐんリードをしていく。ピークに近くなると風が強く、かなり寒い。ワカンの歯を差し込むようにしてピークに立つ。ガスの中、4人が揃ったところで記念撮影をするが寒くて直ぐに降りる。途中、風の来ないところで休憩をして、幕場に戻る。一杯山当たりで、雲の切れ間から陽ざしがところどころ山並みに降りてくる。大白森山の姿が表れはじめ、堂々とした姿に感激しカメラを構える。真っ青な空と雪の白さを味わうことはできなかったが、ほのかに見せる光とブナの原生林、ラッセルの楽しさと酒の味が緩やかに体にしみてくるようだ。幕場に戻ってテントを撤収。心配していた蟻の戸渡りも、難なくワカンのまま通過し二岐温泉に下山した。下山の頃には青空が広がり、「またおいでよ」と誘っているようだった。駐車場でお世話になった大和館にあいさつしながら温泉に浸からせていただき、新白河駅付近のファミレスで夕食を食べて帰埼した。(Sh.S記)

ルート;二岐温泉~小白森山~大白森山(ピストン)

日程;

2/17(金)21:00上尾駅-東北道久喜IC-白河IC-22:30道の駅羽鳥湖高原BP
2/18(土)7:30BP-8:20二岐温泉~11:50蟻の戸渡り~15:36小白森山~16:10鞍部付近BP
2/19(日)7:30BP~9:40大白森山~11:30/12:00幕場~14:50二岐温泉-21:30

 

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