雁坂嶺ダイレクトルート&宴会山行

5月12日~13日

『バリ尾根』&『宴会山行』 のお誘いを受けた。両方大好き。この二言を聞いて断ったら女がすたる!

 

『宴会山行』 とは言え、累積標高差1800m。15kgの荷物を背負って、宿泊予定の樺避難小屋までも1000mある。宴会も楽じゃない。

W田さんは山中泊デビューだそう。荷物20kgとか。リュックの中にクーラーボックスやカチ割り氷、折りたたみの椅子まで入っていた。一方のS本さんは、昨日、越後三山の中岳から下山して直接来た。2人共、別々の、色々な意味ですごい体力だ。

 

ご多分に漏れず。登山口から杉林の人工林を行く。皆、まだが余裕あり口も軽い。傾斜もさほどキツくない。自然林になると周りの木々が陽を受けて柔らかに微笑んでくれる。気持ちいい! 更に高度を上げると下笹が出てきた。今ツツジの季節だが、ここまでほとんど見なかった。雁道場で一本。緩斜面なので中々高度が上がらない。緩斜面は高度が上がらないといい、急斜面はきついと言う。

このコースは昔の秩父往還。一般道なので踏み跡はしっかりしている。迷う事はなさそうだ。徐々にオオシラビソや苔むした倒木が現れ、奥秩父らしい雰囲気になり樺避難小屋に到着。去年、ツェルト訓練山行で利用した、四里観音避難小屋に似た雰囲気の綺麗な避難小屋だ。ストーブがある。早速、焚き火用の木の準備。その間、S本さんが登り15分かかる水場に行き10L担ぎ上げてくれた。有難い。一方で 『焚き火は男のロマン』 というY城さんが火の番。そしてそしてY田さん、待ちきれず 「かんぱ~い!」 えっ⁈ こんな時間から? 「いいよね。かんぱ~い」

樺避難小屋

翌朝、小鳥の囀りで目が覚めた。鳥たちが会話してる。いい気持ち。昨夜は寝遅れていびきの競演に放り込まれたのでそれとは対照的だ。窓の外を見ると、眼下に雲海が広がっていた。今日の予報ではお昼頃から雨。が、青空が見え、薄陽が差している。なら、バリに行かなくちゃ。

バリの分岐までは踏み跡明瞭だ。地蔵岩を過ぎてから取り付きを探す。微かな踏み跡発見。適当に登り尾根に出る。Y城さんが切り込み隊長。倒木をまたぎ、くぐり、藪漕ぎをする。シャクナゲがないのは幸いだ。尾根筋を拾うが、急だが広めなので見定めが大変。足元も苔でズブズブの所もある。奥秩父の原風景かな。自然の真っ只中。作られた登山道より楽しい。華やかなアカヤシオもいいが、しっとりと苔むした倒木もまた心に沁みる。

どうにか核心部突破。地図ではこの先は緩斜面だ。なら新人さん、先頭を行ってみる? とW田さん先頭を行かされた。

斜面は緩くなったが、オオシラビソの幼木の藪漕ぎの箇所が増えてきた。元々樹林帯なので展望はないがガスが降りてきている。風も雨風だ。

緩くなってきたバリ尾根

最後の急登を登りきって真っ白な山頂着。周りはガス、ガス、ガス。あっちに富士山が見えて、そっちに鶏冠山が見えて…のはずなのに。Y田さんが360°撮れる撮影機材を持って来た。撮れた映像は雲海に浮かぶ幻想的な山頂だった。記念撮影をして早々に下山開始。

雁坂嶺山頂

下山は一般道だ。日本三大峠の一つ雁坂峠に下りる。因みに三大峠は針ノ木峠、三伏峠、雁坂峠だそうだ。ここも真っ白。早々に下りる。雁坂小屋に着いた時、小屋のおじさんに会った。「こんな天気の日によく来たね」 あはは、確かに。

避難小屋までトラバース気味の登山道を行く。小屋で掃除やストーブの後片付けをし、また重い荷物のパッキン。雨が降り出した往路を下った。

楽しかったぁ。

 

☆メンバー Y城(リーダー)、Y田M、S本、W田、H川、TN

☆ルート・コースタイム(休憩含む)

第一日 川又(雁坂峠登山口)9:30-樺避難小屋12:40

第二日 避難小屋6:50-地蔵岩7:30-ダイレクトルート取付き7:45-雁坂嶺(9:00~9:15)-雁坂峠9:40-地蔵岩11:15-樺避難小屋(11:45~12:30)-雁坂峠登山口14:15

☆データ 累積標高差 登り1795m 下り1783m 歩行距離 19㎞

記:TN

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